①めんそーれ、MYSORE
![](img/CIMG3730.jpg) 街の時計塔 数字がカンナダ語??読めません。
マイソールはいまでこそカルナタカ州の一部となっているが、1947年のインド独立までマハラジャ(Wodeyars一族)の統治している藩王国(※下記参照)の都だった。そのため、市内観光の見所もマハラジャの豪邸や美術館などマハラジャ率が高い。私にとってマハラジャ関連の観光は初めてなので期待大。
ということで、さっそくこの街最大の見所マハラジャパレスへ。
![](img/CIMG3755.jpg) 建物内部の写真撮影は禁止されてます。 建物内に入るときは靴を預けなければなりません。
当時はインドで1,2を争う金持ちマハラジャだったというだけあって、およそ500平方メートルの敷地に、ドカーンと巨大な宮殿が建っている。建設には当時の技術で1897年から16年もの歳月を要したというのもうなずける。建物はイギリス人のデザインによるもので、イスラム・ヒンドゥー・西洋的な様式がミックスされた回印洋折衷がおもしろい。 外観も建物内もとにかくゴージャスにしました!!という気合がビンビンに感じられるのだが・・・
なんか微妙なんだよね・・・。
確かにゴージャスなのは認める。 だが、壁の色塗りなど修復のレベルがイマイチだという問題を除いても、そこここに違和感を感じてしまうのだ。
全体的な装飾に統一感が全くないことと、ドアやカラス窓・天井などの細部に施された彫刻や装飾の技術がお土産屋さんに売っているものと同じに見えることが原因か。
かねてより、インドのお土産屋さんに売っている象牙(っぽいもの)に針のようなもので描かれた絵や螺鈿細工など精密さを要する伝統工芸品にあまり良い品がないことに対し、それは大衆向けのお土産だからだと思っていた。ところが、すべてが最高級品であってしかるべきマハラジャの宮殿に使われている技術も似たりよったりだった、と知って愕然としてしまった。もとからこの程度のものだったようだ・・・。
日本や中国の精巧な美術品に見慣れていると、インドの美術品がかなり大雑把に見えてしまう。(精密画や石の彫刻など高い技術をもったものも、もちろんあります。)
宮殿がマハラジャの住まいなのだと思っていたら、実際の住居は裏にある薄汚れた建物で、これがまたフツーの家だった。当時はもっときれいに掃除されていて、豪華な家具なども置かれていたのだろうけど、建物自体は宮殿の豪華さとは比にならず使用人の家と言われてもわからない。それでは使用人の家はどんなものなのか、という疑問が残るので是非ともそれも公開してもらいたい。
さらに、宮殿の外にあるマハラジャの残した生活用品や海外からのコレクションが展示されている美術館(ジャガモハンパレス)も微妙だった。日本の絵画や家具と説明されていた数々の展示品は、描いてある内容や彫ってある人間など(ラーメンマンみたいな髭のはえた男性とか)からほとんどは中国の美術品だと思うのだが、何にしろ素人の私が見ても大したことなさそうなシロモノ。故宮博物院級を期待しているとかなりがっかりさせられる。良い品はマハラジャの子孫が持っていってしまったのかもしれない。 翻って、結婚式の様子や豪華な衣装をまとったマハラジャや一族の女性達の写真は興味深かった。
![](img/CIMG3849.jpg) 建物は豪華な美術館 だけど、建物内には鳥やリスが戯れてます。
さて、マイソールの街はさほど大きくないため、市内にあるホテルから見所やレストラン・お土産屋・バス停などへ徒歩でまわることも可能。私はどこの街でも歩いて観光をするのが好きなので、この大きさはちょうど良いと思った。歩道や信号付きの横断歩道も各所にあるので歩きやすい。
次に向かったのが恒例となっている『地元の市場』。
![](img/CIMG3748.jpg) エジプトのバザールを思い出させる市場の入り口 そういえばマイソールはイスラム教徒が多い。
サンダルウッドが名物ということもあって、香水屋からしょっちゅう「アロマオイルはいらないか」「お香はいらないか」と声がかかる。おもしろいと思ったのは、観光客がカラフルな粉を売る粉屋の前を通ると「粉はいらないか?」と声がかかること。お土産用なのか、各色が小分けされセットになったものが売られている。私が知っているこの粉の使い道は、玄関先に絵を描くこととホーリー祭の時に人にかけることだけなのだが、観光客はこれらの粉をほしがるのだろうか?
野菜・果物部門は特に他の街と変わったものはなかった。南インドだけあってか未だにスイカとマンゴーが売られていたのがうらやましい。
![](img/CIMG3735.jpg)
![](img/CIMG3739.jpg) 花もたくさん売っている。 南インドでは髪に花を飾っている女性が多い。
そしてタクシーをチャーターして市内から30分ほどのところにあるチャムンディヒルへ。
![](img/CIMG3869.jpg)
ここの頂上にはチャムンディと呼ばれる女神が祭られたお寺があり、ヒンドゥー教徒にとっては宮殿にならぶ名所のようだ。私達が行ったのが日曜日ということもあって寺院内部にある祭壇へ行くため長い列を作っていた。ここへはたいし堂氏の同僚で以前にもここに来たことがある人と行ったので、受付で余分にお金を払うと並ばずに中へ入れるという公式の”ファストパス”があることを教えてくれた。実際にはその抜け道も混んでいてそれなりに待つことになったのだが、それでも普通に並ぶよりはずいぶん早く進むことができたようだ。
![](img/CIMG3861.jpg) 神様への奉げ物 写真では見えないけど、お供え物のメインは南インドらしくココナッツ。
さらに、一番混んでいる祭壇手前になると警備員がお小遣い稼ぎに非公式のファストパスを作ってくれるので、一番祭壇に近い場所から参拝できバラモンからおでこに赤いしるしをつけてもらえた。(非公式の通行料は、待つことが嫌いなインド系アメリカ人が羽振り良く払ってくれた)
![](img/CIMG3868.jpg) 込み合う境内
![](img/CIMG3874.jpg) 同じ丘にある水牛の神様ナンディ像 後ろにまわると、大きなTesticlesが!
![](img/CIMG3867.jpg) 真ん中分けの髪型がかわいらしい。
ところで、このお寺といい、宮殿(門・カメラ預け料・靴預け料・宮殿内・住居だった建物の5ヵ所で0.5~20ルピーを払う)といい、マイソールの観光はなにかにつけて小銭が入用になる。
ということで、市内の様子はこれまで。
次回は、足を伸ばして行った近隣のお寺と90キロほど離れたところで見た『全裸の男性』についてです。
※『藩王国』:イギリス領インド政府の保護下に置かれた藩王マハラジャのいる王国。もとはインドに大小500余りあったそうだが、1947年のインド分離独立に伴いほとんどがインドに統合された。
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